秘書室からすすり泣く声が聞こえてきた。

ドアを開けるとつぐみが泣いていた。

(どうしたんだ、つぐみ)

つぐみはすぐに光高に気づき、涙を拭った。

つぐみが涙を見せたのは初めてのことだった。

事情を聞くと、なんと恋人に振られたとのことだった。

光高は思わず愛の告白をしていた。

しかし、急に告白も変だろうと思い、恋人の振りを頼んだ。

ワインを進めた結果、つぐみは酔ってしまい、自分のマンションに連れ帰ったのだ。

溢れる想いは止められず、つぐみにキスをした。

「愛しい恋人、つぐみ、ずっとこうしたかった」

光高の素直な気持ちだったのだ。

光高はシャワールームから出てきて、つぐみに浴びてこいと促した。

ベッドは寝室にキングサイズのベッドが一つしかない。

(ベッドを共にして、つぐみへの溢れる気持ちを抑えられるだろうか)

(俺がソファに寝るか)
寝室から毛布と枕を移動していると、つぐみがシャワールームから出てきた。