「よかった・・・。」


 このとき、悠人が泣いていたのは、秘密。


 誰も見ないフリをしてあげた。


 それから、再度作戦会議。


 由良の情報によると、向こうの世界はこちらとそれほど変わらない世界であり、こちらへの世界への介入をしようとしているのは、おそらく向こうでもかなり偏屈のテロリスト集団だというコト。


 つまり、それほど数は多くない。


「全面戦争が避けられただけでも、よしとするべきね。」


 隊長である私の言葉である。


 また、最初に日本語を話したことから、あの巨人には翻訳機能がついているらしく、もしかしたら、対話も可能だということだ。


「交渉をするにしても、そのテロリストは応じないやろ?」


 海人の言葉。


 実際、向こうの住民はこちらの世界の存在のことを知っており、干渉してはいけない風潮があるらしい。


 テロリストはソレを破ったというコトなのだ。