それから生徒玄関まで辿り着き、靴箱を開く。
私はいつも通りに上履きを取り出そうと手を中に入れた。
「……え?」
その手はすぐに靴箱から離れる。どくんと胸が震えるのを感じながら、私はゆっくりと右手を確認した。
指先からは赤い液体がたらたらと流れていて。
(なにこれ、ええ? これって)
「……ち、」
……血ぃいい!?
慌てて靴箱の中を覗き込む。
中にはカッターの刃がびっしりと敷き詰められ貼られていた。置かれた上履きの内側も同じような状態になっている。
「……っ」
ぞわりと寒気を感じて、私は急いで靴箱を閉めた。
(こっわ! なにこれ嘘でしょ、一体どうして?)
「良い気味ぃ~」
「本当ぉ」
「あはは! 固まってるわ!」
その嘲り笑う声は、少し離れた廊下から聞こえてきた。
そこには私の反応を見て笑みを浮かべる三人の女子生徒が立っていて。
「……」
ポタポタと、血溜まりを作っている床に視線を向けた私はハッとする。
(え? あの子たちがやったの?)
唖然として床を見つめていると、いつの間にかその三人が近くに寄って来た。
「鈴蘭さんの妹だからって調子に乗らないでよねぇ」
「あんたは所詮落ちこぼれでしょ!」
「カエルはすっこんでなさいよ」
「……どうして、こんなことを?」
私はそのままの疑問を投げかけた。



