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「なにあの女、超ムカつく!」
「ん~、思った以上に癖者って感じの子だったねぇ」
「そうは言っても皐月、あなたもやりすぎでしたよ」
「昴だって目が笑ってなかったでしょ。その眼鏡越しでもわかりやすかったよね〜」
皐月はへらりとして目元に笑みを浮かばせた。
冬は不機嫌そうにしてテーブルに置かれた洋菓子に貪り付いている。
そしてつぼみが絶賛していた(心の中で)春は、ぽーっとした表情のまま冬の隣に座っていた。
「……きれい」
「ん? なに、春」
突然、ぽつりとつぶやいた春。
冬はフォークを咥えたまま小首をかしげるが、春は冬を見つめ同じように小首をかしげるだけである。
だがこんな春も今となっては普段通りで、冬はそれほど気にはしていなかった。
そして再び、つぼみの話題が浮上する。
「ていうか利用したらってなんなの? あいつが鈴蘭を利用してる癖にさ」
「本人に自覚がないということでしょうか」
「はは、だとしたら相当タチが悪い子だねぇ、カエルちゃん」
彼らは、生徒会は、鈴蘭を大切に思っている。
それは仲間としてか、恋愛感情なのかは本人たちの心のみが知るところだが。
共通しているのは、鈴蘭を苦しめてるという零条士つぼみに悪印象を持っているということである。
……しかしその理由を、つぼみがすべて知るのはもう少し先の話。
*カエルの子、生徒会と遭遇する*



