振り向くと、そこには美都羽副会長が立っている。
彼は私が扉を開けないように長い腕を伸ばして扉を押さえているようだった。
壁ドンならぬ……ドアドン?
なんてお気楽なことを考えてはいられない。
どう見てもこの人、表情は笑顔なのに目が笑ってないし。
「あはは、言ってくれるな〜。だけど俺たちもカエルちゃんと仲良くする気なんて全然ないよ」
まあ、私と仲良くしたいもの好きな人はいないよね。それはわかるけれど。
「だけどねぇ、鈴蘭はべつなんだ」
はい?
どうしてそこで鈴蘭が出てくるわけ?
今もすやすやと寝息を立てて私に背負われる鈴蘭をちらりと確認して、疑問を浮かべる。
「鈴蘭を苦しめたら、いくら女の子でも許さないよ?」
にこりと、美都羽副会長は冷たく微笑む。
……意味がわからない。
苦しめたらって、私が鈴蘭を苦しめるってこと?
なんだそれって感じだが、ひとつだけ明確になった気がする。
美都羽副会長を含め、生徒会の人たちは私を快く思っていない。
六堂副会長は黒い笑顔を浮かべていて、冬さんもあきらかに不機嫌な顔丸出し。
……春さんは、うーん、正直彼は読み取れないけど可愛い。
もともと好かれるように生活をしていなかったから、嫌われることには慣れている。割り切っているし、仕方がないことだと思っていた。
だけど。
「鈴蘭はカエルちゃんが原因で辛い思いをしていたんだよ」
「……は?」
そう私に告げた美都羽副会長の言葉で、感情が揺らぐ。
鈴蘭が辛い思いをしていたって、どういうこと?



