「初めて見たけど、本当に似てないね」
「………」
頭の中でそんなふうに考えていたら、新たな声が響く。
次から次へとうじゃうじゃと……今度は誰?
副会長たちの後ろから姿を現したのは、淡い桃色の髪をした少年ふたり。
……彼らは双子である。
顔の作りは完璧に同じだけど、表情や雰囲気が全然違うのでまったくの別人に見えてしまう。
そして双子の両方が私の目の前に並んで立つと、右側の少年がこちらを見つめる。
彼は薄水色のパーカーを着て、私から見て右側のこめかみにピンを挿して髪をアレンジしていた。
「ま、噂通りの見た目って感じ」
そう言って、冷たく顔を背けられる。
はいはい知ってますよ、気味が悪いんでしょ。
彼はツンとした表情が印象的で、不機嫌そうに眉を顰めている。
「…………」
一方、双子のもうひとりの少年は、同じ制服のズボンに白いワイシャツというシンプルな格好をしていた。
彼は左上をぼやっと見つめていて、私に興味すらない印象だった。
「双子といっても、アンタの場合は本当に名前だけって感じ。全然似てないじゃん」
「冬、そんな言い方をしてはいけませんよ」
ずっとトゲトゲしい態度の少年を見かねたのか、六堂副会長が間に入って来る。
「自己紹介もせずに申し訳ありません。パーカーを着た彼が未四季冬。ワイシャツだけの彼が未四季春です」
私は親切に説明をしてくれた六堂副会長の言葉を聞いたあと、もう一度ふたりを確認した。
冬さんと、春さん。
冬さんは挑発的な表情をしていて、まるで悪戯っ子な子どもみたいだ。それか警戒心強めの猫って感じ。
春さんはそれとは正反対というか、きょとんとしたりぼーっとしたり、あまり表情が掴めない。
無口なのか話すのが苦手なのか、先ほどから一言も発していない。
「春は信用してない人には一切口を開かないから」
ふんっと鼻を鳴らした冬さんの言葉に、私は理解する。
ほう、つまり私は不審な人間も同然……というわけですね。
私はちらっと春さんを盗み見る。彼の視線はぼうっと宙を見つめているだけで、それ以外の反応はなかった。



