襟足だけ伸びた明るめの茶髪に、ピアスに指輪……少し目つきが悪い切れ目。
それと、今の蹴りを見たら、ねぇ?
「バカ言え。これが俺の普通だっ。……というか、あんたの制服それ……」
彼の視線が私の制服を指さした。
「制服?……あ!!」
「は?」
しまった……!!
この制服を着ている時だけは、お嬢様の化身になると決めていたのに──!!
後悔先に立たずとはこのこと……。
「あのーこれは、見なかったことに……とか」
「バッチリ見た」
「あー……忘れてくれ、じゃない。クダサイ、マセ」
今さら敬語もどきを使ったってあとのまつり。
「絶対無理。ま、別に誰にも言わねぇけど……ほらよ」
男の子は立ち上がり、私に手を伸ばした。
立つために手を貸してくれるのか、顔に似合わず優しいみたい。
「あ、ありがと」
手を借りて立ち上がり、小さくだけどお礼を告げれば、
「……っち」
何故か舌打ちをされた。しかも手を離してくれない。押しても引いてもゆるまないし、力強い。



