らしくしよ、恋ってやつを


**


私たちについて騒ぐ声がしだいにおさまってきた頃──


【近くの駐車場に待ち合わせな】

放課後、すでに待っていた貴公子のもとに駆け寄れば、貴公子は携帯から顔を上げた。


「詩姫」
「貴公子!聞いて欲しいことがある!」
「んだよ急に」

携帯をポケットにしまい、ヘルメットを手にしたところで、貴公子は手を止める。

「すごくいいことがあったの!」
「わーったわーった。聞いてやるって」

あまりにも私が前のめりになって、話したいアピールをしたからか、貴公子は小さく笑った。

「今日、季節をテーマに華道の授業があったんだけど、なんと!なんとー……あの堅物な先生に褒められて、更にお直しも極端に少なかったんだ!」
「へぇ、珍し。そいつは良かったな。進歩、進歩」
「そう!貴公子のおかげ」

はにかめば、そっと頭に手が置かれた。

「……ならご褒美やるよ」