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私たちについて騒ぐ声がしだいにおさまってきた頃──
【近くの駐車場に待ち合わせな】
放課後、すでに待っていた貴公子のもとに駆け寄れば、貴公子は携帯から顔を上げた。
「詩姫」
「貴公子!聞いて欲しいことがある!」
「んだよ急に」
携帯をポケットにしまい、ヘルメットを手にしたところで、貴公子は手を止める。
「すごくいいことがあったの!」
「わーったわーった。聞いてやるって」
あまりにも私が前のめりになって、話したいアピールをしたからか、貴公子は小さく笑った。
「今日、季節をテーマに華道の授業があったんだけど、なんと!なんとー……あの堅物な先生に褒められて、更にお直しも極端に少なかったんだ!」
「へぇ、珍し。そいつは良かったな。進歩、進歩」
「そう!貴公子のおかげ」
はにかめば、そっと頭に手が置かれた。
「……ならご褒美やるよ」



