数日後──
本当に【華道界の貴公子、熱愛】なんて文面が大々的に世間へ出されてしまった。
好き勝手に書け、なんて言うから本当に好き勝手にされてしまったよう。
記事では私の名前はふせられているものの、ちょっと考えたら分かるじゃん!ってくらいで、旅館内でも当分騒がれるのは覚悟しとかないと。
そして、朝からそんな記事を目の当たりにした私とお母さんは、丸で正反対だった。
この後学校での心配に憂鬱になりかけている私と、
『やだっこれ詩姫じゃないの!椿冴さんと!?本当に!?言ってよもう!きゃあっ』
とても女将とは思えない、子供のようなはしゃぎぶりで。
反対ではなく、ノリノリで受け入れてくれるのはいいんだけど……
──学校に行ったら行ったで案の定、私と貴公子は校長室にお呼ばれ。
「校内でも、世間でも、注目度が高い二人なんだから、どうこう言うあれもないですが……健全なお付き合いを心がけること、これだけは──」
「分かっています。僕も彼女も」
注意点みたいなことと、予想以上に広まったせいで、真偽を確かめられたりした。
だけど、校長先生から『本気か』と問われた時に『当たり前だろ』と、素の貴公子で答えた時は、ちょっとかっこいいな、なんて思ったり。



