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ぎこちないまま向かえた翌日の朝、
貴公子からメッセージが入っていて
【放課後、前話したとこに集合】と。
昨日の今日で、なんかどうもいたたまれない気持ちがある中、承諾をした。
放課後、高架下近くの階段へ先に着いたのは私の方で、前と同じように座ることに。
先に着いたと連絡をすべきか、携帯とにらめっこをしていれば、微かに足音が聞こえてきて、顔を上げた。
「……よ、待たせたか?」
「ちょっと前に着いたから平気」
「そうか」
貴公子は私の隣に立つも、座らない。自分だけ座るのも、と思い立ち上げれば、貴公子は深呼吸をし出す。
「……昨日のこと、忘れてねぇよな」
なんとなく、察してはいたけど──
「一度しか言うつもりなかったのによ……ったく。もう一回だけだ……」
頭を掻いて、貴公子は私に向き直った。
「……俺は、お前が好きだ。皆森詩姫。つくってるお前も、素の皆森も。俺がロビーにいる時に旅館で見た姿にも惚れた。お前といると、ずっと素の自分でいられる」
だから……俺と、付き合って欲しい──と。
……貴公子といて、ここまで心臓が早鐘をうつことはなかったのに。
素直に嬉しい気持ちと、どうしたらいいのかわからない気持ちが混ざりあって、何を答えたらいいのか……言葉が出てこない。



