「だから!嬉しさが相まって……即行で告んねぇとお前への気持ちがキャパオーバーするくらいになったってことだよ!分かれ、鈍感バカ女!」
「鈍っ……!?」
鈍感バカ女って……告白と一緒に並べる言葉じゃないでしょ!?
何か言い返してやろうと口を開きかけたが、あまりにも貴公子の顔が赤かったから半開きのままに。
「お前……アホ面だぞ」
「うるっさ!貴公子だって真っ赤のくせに!」
こういう風に言ってくるから、負けじと言い返したくなる。
「うっせ……」
なんて覇気のない『うっせ』。
より赤らめた頬にいたずら心が生まれるも、私たちにかけられた声によって、生まれるだけで終わった。
「椿冴、詩姫さん」
咄嗟にどちらともなく手を離し、鼓さんの方を向けば手を繋いでいた光景を目にしたからか、鼓さんはそれはもうにこやかで。
「仲が良いのは喜ばしいですが、教室の時間、過ぎてますよ」
「マジっ……じゃない。今すぐ始めます!」
私たちは鼓さんに一礼して、足早にいつもの部屋へと向かった。
けれど始まる前に色々ありすぎて、お互いに集中出来ず、挙げ句の果てにはなんとか生けた私の花を──『わ、わるくねぇ……』なんて言う。
きっとここに通い始めて一、二を争う出来だったのに。



