なんで自分がこんなに熱くなってるのか、なんで貴公子よりも怒りをあらわにしているのか、自分でもわからない。
「貴公子と話すうちに、どんな人間かわかっていくうちに……当たり前に飾ってある花が、とても素敵で、どんなイメージで生けたのかが伝わってくるようになった」
だけど、この記者に対して言いたいことが、どんどん競り上がってくる。
「だから、色がないって言うのはその人が見えてないだけ。私には、貴公子が……鼓椿冴の花が人生で一番、色があって綺麗に見える」
──これだけ語って、華道に関しての知識なんかろくにないくせにと言われればそこまで。だけど、記者の言葉が……どうしても許せなかった。
「……なるほど」
それに、噂話をきちんと否定するいい機会。せっかくだから伝えておかないと。
「それと……私は、貴公子の生徒としての立場で教室に居ました。先生と生徒として、本当にそれ以上の関係はございませ──」
「俺が勝手に皆森詩姫に片想いしてるだけ。鈍感でこいつが気付いてないってだけの話ですよ」



