らしくしよ、恋ってやつを



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まだ辞めようかって話の最中で、今月分の教室はまだ終わっていなく、月曜に貴公子とのこともあったから浮かない足取りで向かっていれば、またあの記者がいた。

反射的に隠れようとしたけれど、聞こえた言葉に私は制止した。

「華道家として様々な評価をされる中で……色がないと言われたことについてはどう思われましたか?」

問われた貴公子の顔色が一瞬にして変わったのが見えて、またも反射的に体が動いた。


「ちょっと待てっ!!」


記者の後ろから声を張り上げて近付けば、二人とも驚いた表情になっていたけど、そんなのお構い無し。

「色がないって、貴公子のこと何も分かってないくせに言うな」
「これはこれは、次期女将。お名前は皆森詩姫さん、でしたね。やはりお付き合いをされている貴方なら椿冴さんの、花のよさが分かると言うことですか」

睨みをきけせても、記者は慣れているのか飄々としている。

「私の華道の成績は下の下。生けた花のどこがどう素晴らしいかなんてこと、さっぱりだわ。……でも」