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休み明け、また一週間が始まるのが嫌だな、と思い机に伏せた。しかし──
「……皆森詩姫!!」
教室いっぱいに響いた声に顔を上げれば、二年生の貴公子がずかずかと私の方へと歩いてきた。
「っえ、ちょっと何しに──」
「やめるってどういうことだ」
周りの目を気にせず、堂々と私の前に立つ貴公子。
「っ……それは」
「噂のせいか。それともあの記者のせいか」
「だ、だって、またあの記者に何勘ぐられるかわからないし、これ以上飛躍した噂が立ち続けたら……鼓さんにも……貴公子にも迷惑かけちゃうじゃない」
「俺と約束したろ!あの約束、忘れたとは言わせねぇぞ」
約束──
『ま、気にすんな。俺が華道の成績あげさせてやるから』
『お、言ったな?だったら私もバッチリ頑張ってやろうじゃないのっ』
「覚えてるけど……」
あの時は、こんな記者が来るほどの噂がたつなんて予想もしてなかったからで。
「俺は……迷惑なんて、微塵も思っちゃいねぇよ」
消え入りそうな声で貴公子は何かを言って教室を出ていった。
その言葉を聞き取ることは出来なかったけど、なんだか──
胸が……苦しい。



