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──あーつっかれた……
あれからまた先生が長々と絡まれ話を繰り返し話すもんだから、目蓋が重いのなんの。
というか名門学生中心に被害って、やっぱり目的はお金?とは言ったって、金髪はいてもほとんど不良なんてここいらじゃ見かけやしないのに。
うちの学校はいちいちそういう問題を警戒しすぎなんじゃないかってたまに思う。
前にもひったくりが云々って話を聞かされた気がするし。
「……ま、そんなこといいや。少し寄り道寄り道っ」
月半ばに一度、私は学校生活のストレスを発散するため、ゲームセンターに寄る。
制服だからそう長居は出来ないけど、生け花のうっぷんを晴らす──そのために。
一歩中へ足を踏み入れた時のうるささが、今の私には心地いい。
両替機に千円札をいれ、小銭へ。
それを握りしめ、気合い十分に挑んだ。
「……今日はやったるぞ」
数十分後──
悲しいことに格闘ゲームもクレーンゲームも見事に惨敗だった。
なんだか余計ストレスがたまったような気がするけど、ゲームだから仕方のないこと。
「今日はこのくらいにして帰ろ」
お金だけが減り、若干不機嫌さは増したものの、誰にも邪魔されず一人の時間を過ごせるのは本当にいい。
──どうせ、学校にいても家にいても、あまり変わらないんだから。



