──今日も無事に、小言を言われながらも華道教室を乗りきり、お茶を出してくれた貴公子に礼を言って縁側に腰かけた。
「……あー集中したから生き返るわー」
庭を見つめながらお茶で一服すれば、解放感的なものを感じ、胡座に。
「お前なぁ……」
「なに」
「おしとやかさとかないわけ?仮にも着物だぞ?」
「私にそんなもん求めるな」
「だな。俺が間違ってたわ」
なんだと。
そうすんなり言われるとそれはそれで……
でもほんとのこと。認めよう。
「初期の頃から今の今まで思ってたけどよ……お前、意外と口悪くね?それに、いつも俺が旅館に行った時の態度と全く別もんだし」
「それ、二面性的な貴公子に言われたくないんだけど?」
お茶の湯のみを手に貴公子を睨めば、同じく貴公子も私を睨んでいたけれど、すぐにクスリと笑った。
「……一緒だな」
「一緒って?」
「俺とお前似てるから」
「どこが」
似てる?
「自分の使い分けをしてるってとこ」
ハッと、貴公子の言葉につい目を見開いた。



