らしくしよ、恋ってやつを


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貴公子が来たあの日から一週間ほどが経ち、むかえた土曜の午後。

あーあー憂鬱。


貴公子が来た後、本当に華道教室体験の約束を鼓さんとお母さんがかわしていたなんて微塵も思ってなかった。
そもそも私の華道の成績が壊滅的だからなんだろうけど。

『ちゃんと学んでらっしゃいよ』なんて笑顔で送り出されたものの、そこまでのやる気は生まれていない。

だけどこのやる気のなさを表に出すわけにはいかないから、教室に着いて出迎えてくれた鼓さんに挨拶をして、案内されるがままについていった。

ここよ、と言われ襖を開けた先に……