「まあ、綺麗な子ですわね。可愛らしさもあって、女将に似たのですわ」
「いいえ、そんな。この子、華道の成績がてんで駄目でして……鼓様のお教室にでも、なんて思っていましたの」
「あら、それなら是非いらしてくださいな。ねぇ、椿冴」
「ええ、是非」
なんだこの爽やかを装う笑顔は──
ピアスは?指輪は?どこに行った!?
髪もきちんと結んでるし和装だし。
さっき私が見た時とは全然違う姿。
まぁ?あっちも……さっきの女がなんで?って思ってるに違いないけど。
「改めまして、本日から孫の椿冴をよろしくお願いいたします。女将」
「はい、こちらこそ。綺麗に彩って下さいね。華道界の貴公子である椿冴さんの花を魅せてください」
「はい。精一杯やらせていただきます」



