ギャップドル!! - だって「素直」になりたくない -

気がついたら居間で大学のテキストに顔を突っ込んで寝ていた。
背中には毛布がかかっている。
「あら、ちいちゃん。目、腫れてるわよ。
氷のう用意するわね」
「オレジーが同居しててなんでちいちゃんが居間で寝てんだよ。かわいそすぎ!!」
「うるっせえなー。ちいは風呂入ってこい。朝ごはん用意するから」
あれ、もう朝……

「こら、緑!! 本をそのへんに置くな!! また同じもの3冊買う羽目になるぞ!!」
「ここん家のソファー、居心地良いのよねぇ」
「青、アスパラ避けんな!! ほうれん草も避けんな!! 野菜たっけーんだぞ今!!」
「野菜食べたくなーい」
(お風呂入ってこよ)
私は大学のテキストをまとめ、自室に戻る。白い壁のシンプルな部屋。
(オレンジ、掃除機かけたな。勝手に)
実を言うと、

私は合宿所でオレンジと同居しています。
同居しているのはオレンジだけのはずなのに、緑姐さんと青ちゃんが入り浸っています -

「ちいちゃん、今日のお仕事は?」
オレンジの作ったほうれん草入りの目玉焼きとバナナ入り特製スムージーで姐さんと朝ごはんにする。オレンジと青ちゃんはジムルームへ行った。朝から元気過ぎ。
「いつも通りだよ。事務所の言いなり」
「それが私たちのお仕事だもんねぇ」
「それでお金が稼げるんだから良いよ」
「ちいちゃんは本当に頑張ってるわ。ステキよ」