うちのグループはいつもこんなテンションだ。女子校のクラスメイトってこんな感じかも。「頑張ってまーす!!」「常に全力でーす!!」といつも演じていると、楽屋では空気の抜けた風船になる。
私は黙々と次の衣装に着替える。清楚な、でも可愛い藤色のワンピースに。往年の大先輩の歌を歌えるなんて嬉しいな。ソロじゃないけど。ソロじゃないけどな!!
息苦しい楽屋を抜けて、ヘアメイク室の扉をトントンする。
「紫です」
「どうぞ」
明るいメイクさんの声を聞いてドアを開け、
「ゲッ!!」
思わず、変な悲鳴が出た。
「なんだよ。ひとの顔見た瞬間、『ゲッ』って」
「『ゲッ』って言いたい顔があったから言ったんだ」
「このヤロ。いつも可愛くねぇな。ちい紫!!」
顔を合わせると文句ばっかり言ってくるオレンジ色の短い髪の長身アイドル。つり目で鼻筋が通っていて小顔で、小麦色の肌。厚い胸板。いつもエネルギーがみなぎっている。
「ちいちゃんはおまえなんか見てないわよ」
となりに座っている黒髪を三つ編みに編んだ青年が、柔らかな笑みを私に向ける。細身。優しさをたたえた琥珀色のタレ目。たっぷりとしたサンゴ色の唇。色白でオレンジよりもさらに5センチくらい背が高い。
「そうだそうだ。私、オレンジジイなんて眼中ないもん」
自分で濃い緑のエクステンションを髪に編み込んでいる彼の担当カラーは緑。私の癒しの姐さんだ。(男)。
「ねぇねぇなんで今日、ちいちゃんとオレジーがふたりで歌うの?
俺は? 俺はちいちゃんといつ歌えるの?」
私は黙々と次の衣装に着替える。清楚な、でも可愛い藤色のワンピースに。往年の大先輩の歌を歌えるなんて嬉しいな。ソロじゃないけど。ソロじゃないけどな!!
息苦しい楽屋を抜けて、ヘアメイク室の扉をトントンする。
「紫です」
「どうぞ」
明るいメイクさんの声を聞いてドアを開け、
「ゲッ!!」
思わず、変な悲鳴が出た。
「なんだよ。ひとの顔見た瞬間、『ゲッ』って」
「『ゲッ』って言いたい顔があったから言ったんだ」
「このヤロ。いつも可愛くねぇな。ちい紫!!」
顔を合わせると文句ばっかり言ってくるオレンジ色の短い髪の長身アイドル。つり目で鼻筋が通っていて小顔で、小麦色の肌。厚い胸板。いつもエネルギーがみなぎっている。
「ちいちゃんはおまえなんか見てないわよ」
となりに座っている黒髪を三つ編みに編んだ青年が、柔らかな笑みを私に向ける。細身。優しさをたたえた琥珀色のタレ目。たっぷりとしたサンゴ色の唇。色白でオレンジよりもさらに5センチくらい背が高い。
「そうだそうだ。私、オレンジジイなんて眼中ないもん」
自分で濃い緑のエクステンションを髪に編み込んでいる彼の担当カラーは緑。私の癒しの姐さんだ。(男)。
「ねぇねぇなんで今日、ちいちゃんとオレジーがふたりで歌うの?
俺は? 俺はちいちゃんといつ歌えるの?」



