ギャップドル!! - だって「素直」になりたくない -

「私、あなたたちが揉めてるの見るの好きよ」

ごはんを食べるヒマもないくらいギチギチのスケジュールをこなして、家に帰りついたのは午前3時。
お風呂に入ってマッサージをして、パックしながら居間で柔軟。英語の曲をかけながら。
(ごはん出てもみんな食べない。太るの怖いから)
「終わってんな」

緑姐さんといっしょにオレジーが大鏡の前でバレエのレッスンをしている。お、だいぶ身体柔らかくなったじゃん。オレジー。(褒めてない)
「終わってんのわかっててここにいるんじゃん俺ら」

ソファーでドラマの台本を読んでいる青ちゃんがそっけなく言う。脚を上げてゆっくりバタバタさせながら。
「人間って愛おしい生き物よね」
「人間食って長生きしてるみたいな笑顔で言うな」
「こら、オレンジジイ!! 姐さんを悪く言うな」
「あら、ちぃちゃん優しい」
姐さんが片足を上げたまま投げキッスをくれる。オレンジは顔をしかめている。

「この世界、志が高いのは秒で終わるしな」