Roadside moon











「…意味わかんない」





諦念の滲む大きな瞳が私を覗く。









「…勝手してごめんなさい」





今更に込み上げてきた申し訳なさに思わずそう呟いた。





自分本位に助けるだなんて言っておいて。











まあいいか、と心を決める。





一発勝負だ。





成功率は100パーセント。





だって、私だもの。











「──やるからには絶対、助けて」





絶対。





「…、」





私の袖を掴む彼女の指が小さく震えていた。





欲しかった言葉だ。





私とて未だ、自分に『絶対』を夢見ている。











「早く、どこか安全なところに」





「…わかった」





戸惑いながらも頷いた彼女に微笑を返す。





(…よし)











──強行突破。少々苦手な分野ではある。





けれど、多分大丈夫。





だって私だもの。





それ以上に、大層な理由は必要ない。