手首に力を籠める。 族車仕様のバイクが、奇怪な音を鳴らして動き出す。 「ほんのお礼の気持ちです」 「は…お礼?」 「今日、すごい楽しかったから」 目一杯の光を放ち。 自らの力で輝く彼らに力を貰った。 希望を、貰った。 「…“また、走りたい”」 そう思った。 それが希望だ。 私は、嬉しかった。