Roadside moon











続々と消えていく不良たちに、ギャラリーからは大きな拍手が送られる。





例のタイガーは一人、そこに取り残され





静寂が戻った。





(…なんで行かないの)





そう考えるも束の間。









フィナーレだ。





どこからともなくそんな呟きが聞こえて





今度はよく、よく目を凝らす。







「──朧ぉぉぉ‼」





「いいぞぉぉぉぉー‼」





「やれえ」







熱の籠もった音。





彼は最後に、耳がつんざくほど大きなラッパを鳴らした。





そうして





ブオォォォォオオ





誰よりも早く、闇に溶けていったのである。