Roadside moon











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「──綺麗」





そんな言葉が口をついた。







「…そう?」





「…うん。とっても」





「…や、変わってるね。サヨちん」





「綺麗だよ、だって」









綺世が物珍しそうに私の顔を覗き込む。





私はそんな彼女へ何かを返す余裕もなく
目の前の景色に、眼差しを預けていた。









「この景色をさ、そんな表情(かお)で綺麗だなんて言う子、多分パンピーではサヨちんぐらいだよ」





「…え、どんな顔してるの私」





「恍惚」





「…難しい言葉知ってるじゃん」





「失礼ー、ほんとなんだから」