Roadside moon












あまり早口でまくし立てられるので最早私の脳が言葉を追えない。





数秒黙って
その先に続く内容を、なんとなく理解した。









「…綺世、あんたまさか」





「え、なに分かったの」





「──旭のこと好きなの?」





「…」





今度は私が綺世が押し黙らせる形に。





「…エスパー?」





「いや…今のは分かっちゃうよ…」





素直に気持ちを認めた綺世に、正直言うと若干言葉に詰まったけれど。





「…そうなんだ」





寧ろ、私にはもっと気がかりなことがあって。





「反応薄いね」





「…転がればよかった?」





「いや。そういうとこも好きだよサヨちん」





「…良かった。縁切らなくて済んだね」





「ちょ、笑顔で言わないで」





綺世が笑う。





私も笑った。彼女につられて。





こうして見るとただの一人の女の子だなあ。
失礼だけれど、どこか安堵にも似た息をつく。





彼女も参加するのだという今夜のクリスマス暴走。





「クリスマスかあ…」





気がつけば、今年ももうクリスマスシーズン。





今年は色々忙しかった。





色々。





とりあえず、年中行事を忘れてしまうくらいに。