Roadside moon

















「んっと、え?」





今、なんて





「ごめん、サヨちゃん、もう一回聞いてもいいかな…」





「も、もう一回、ですか」





もう一度。





息を吐いて、大きく吸い込んで。
つい先刻のものとまったく同じ言葉を出そうとしたけれど、無理だった。





原因は羞恥心。





ああも小っ恥ずかしい文言を、そう何度も言わせるものではない。





勘弁してください、という目で彼を恨めしく睨めば、眼前になんとも美味そうなパフェが差し出された。





「…物で釣ろうとしてますか」





「お願い。もう一回」





「賄賂…」





「北海道産の夕張メロン、嫌い?」





「くぅ…」





(この、美男子め)





覗き込まれて、本当にどうしようもない。





こんなのに誰が首を横に触れるというのだ。





「んんっもう、」





──あ、あの














「ロンさんって、私のこと」





「うん」





「私のこと、好きなんですか!!」