制服はそこそこ可愛い。
それに。
スカート丈の短いことを注意されることもない。
授業を自分自身の睡眠時間に充てても
規則的に鳴るチャイムを無視しても。
元々が自由な校風とかいうわけでもなさそうなことは雰囲気で察している。
此処で生きやすい人もいれば、生きにくい人だっているんだろうなと。
私は。
きっと、後者に分類されるのだろうとも。
「──じゃ、ここで」
「うん。じゃあね」
「あ小夜、俺今日遅くなる」
「なんか用事?」
「察してくれな」
そう言い残して背中を向けた旭に、私もヒラヒラと手を振った。
「…察してくれ、ね」
彼は言わない。
自分が何処で何をしているか。
けれど、私ももうとうの間に真実を知っている。
そして彼もまた。
私がすべて知っていることを
ずっと前から知っている。
