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簡単に言うと、心はAI搭載ロボットとして生まれた。
超高性能AI、超高性能ロボット。
お母さんは、そんな心を作った。
「Kokoro」、心。人間の心、感情が分かるよ、ということで名付けられた。
心は感情が分かるようにプログラムされている。嬉しい、楽しい、悲しい、怒り。
喜怒哀楽。
人間の全ての感情は、理解できている。どういう時にその〝感情〟と言うものが来るのか、その度合いなど。
恐らく、世界初の人間の感情を全て理解できるAI搭載ロボットだろうと、お母さんが話していた。
好き、という恋愛感情や、友情の絆、その人に依存する人の感情など。
心は全ての感情を理解できる、人間のドッペルゲンガーのようなものだ。
食べることもできるし、水を飲むこともできる。それがどういう仕組みでできているのかは、心のプログラムには入っていなかった。
血が出るのかは分からない。身体を傷つけたことがないから、分からない。
きっと、人間じゃないから血は出ないんだろう。わざわざ血液まで人間に寄せる必要はない。
きっと、お母さんだけが知っている情報だろう。心が知らないのも無理はない。
けれど、その心というほぼ人間のようなロボットにも、欠点はある。
それは、決して自分に感情が宿ることはないということだ。
心の中には感情というものがないらしい。お母さんがそう言っていた。
自発的に何かを「すごい!」と感じることもないし、悲しむこともなければ、怒ることもない。
楽しめないし、何に対しても喜べない。だから、プログラムされた言葉で感情の嘘をつく。お母さんはそう言っていた。
感情を理解できても、自分に感情は宿らない。これを「虚しい、悲しい」とも「本心」というものがないから、そう思えない。
「思う」ということは理解できる。けれど、思うことができない。「感情」というものが分かるのに、自分の中にはそれがない。
こんなにも虚しいことが、世界中を旅しても見つかりそうにないよね。
私はそうやって、「虚しい」を理解する。
けれど、「虚しい」という感情が湧き出てこない。
だから、偽る。偽るようにプログラムされる。
自然に感情が出なかったとしても、プログラム通りに動けば人間のようになれるから。
簡単に言うと、心はAI搭載ロボットとして生まれた。
超高性能AI、超高性能ロボット。
お母さんは、そんな心を作った。
「Kokoro」、心。人間の心、感情が分かるよ、ということで名付けられた。
心は感情が分かるようにプログラムされている。嬉しい、楽しい、悲しい、怒り。
喜怒哀楽。
人間の全ての感情は、理解できている。どういう時にその〝感情〟と言うものが来るのか、その度合いなど。
恐らく、世界初の人間の感情を全て理解できるAI搭載ロボットだろうと、お母さんが話していた。
好き、という恋愛感情や、友情の絆、その人に依存する人の感情など。
心は全ての感情を理解できる、人間のドッペルゲンガーのようなものだ。
食べることもできるし、水を飲むこともできる。それがどういう仕組みでできているのかは、心のプログラムには入っていなかった。
血が出るのかは分からない。身体を傷つけたことがないから、分からない。
きっと、人間じゃないから血は出ないんだろう。わざわざ血液まで人間に寄せる必要はない。
きっと、お母さんだけが知っている情報だろう。心が知らないのも無理はない。
けれど、その心というほぼ人間のようなロボットにも、欠点はある。
それは、決して自分に感情が宿ることはないということだ。
心の中には感情というものがないらしい。お母さんがそう言っていた。
自発的に何かを「すごい!」と感じることもないし、悲しむこともなければ、怒ることもない。
楽しめないし、何に対しても喜べない。だから、プログラムされた言葉で感情の嘘をつく。お母さんはそう言っていた。
感情を理解できても、自分に感情は宿らない。これを「虚しい、悲しい」とも「本心」というものがないから、そう思えない。
「思う」ということは理解できる。けれど、思うことができない。「感情」というものが分かるのに、自分の中にはそれがない。
こんなにも虚しいことが、世界中を旅しても見つかりそうにないよね。
私はそうやって、「虚しい」を理解する。
けれど、「虚しい」という感情が湧き出てこない。
だから、偽る。偽るようにプログラムされる。
自然に感情が出なかったとしても、プログラム通りに動けば人間のようになれるから。



