IIII
「…心、今日も来ないね」
「そうだねぇ、インフルとかかな」
心が来なくなって、一週間が経った。
流石にもう熱とか下がってても良くない?って思うけど、もしかしたら芽流が言うように重度のインフルとかなのかもしれない。
心配だし、早く会って部活したいなぁ。
るいと芽流が別れて、もう一カ月以上が経っている。
夏休みに別れたらしいけど、未だ関係の修復はゼロ。むしろ悪化している気さえしてくる。
心は、私のことが好きじゃない。それは別にいいんだけど、(結構傷ついたけど)問題は〝心はるいのことが好き〟という事実だ。
心が部活に入った時くらいに、そう告げられたのをよく覚えている。
今は、芽流とるいは別れた元カップル状態。加えて仲も悪い。
芽流もるいもモテモテ(るいに関してはモテる理由は分からないけど)だし、もしかしたら他の男や女が隙を見て近づいて来るかもしれない。
心もるいも、私と一緒に男女合同テニス部に所属している。つまり、二人が恋愛ムードに…なってしまうかもしれない。
私は遠回しに振られたけど、まだこの恋は諦めていない。諦めたくない。
しかも、るいは芽流と別れてまだ一ヶ月ちょっとだ。こんなタイミングで心と付き合ったら周りからの印象最悪になるに決まっているし、もしかしたら「心ちゃんって人の彼氏取ったんだー」とかいう悪質な噂も流れるかもしれない。
ここ最近、心は休んでいるけれど、今後もしかしたらそういう展開があるのかもしれない。それだけは、絶対に避けたいのだ。
芽流とるいの親友としても、心に想いを寄せている身としても。るいと心が両思いになって遂には…なんてことは、避けたいと思っている。
思っているというか、絶対にそんなことさせないけど。
私にも、まだチャンスはあると願いたいし。
今日は調理実習の日。みんなでカレーを作ろうって、中二にしては低レベルかもしれないけどちょっと楽しそう。
「ねー、今日絶対包丁使うよね?」
後ろに座っている芽流と、いつもみたいに雑談をする。勿論、るいは会話に入ってこようとしない。
「まあ、そうなるよね。誰か怪我とかしちゃいそう」
「確かにめっちゃ危ない。男子とか指切っちゃいそう」
「アオも切りそうだけど。結構やらかしそうだし」
「はあ?なんもやらかさないし!私、こう見えて結構料理得意なんだよ?」
わざとキレて、そう言ってみる。語尾に「w」が付きそうな言い方で。
「嘘だね、一緒に家でクッキー作った時やばかったじゃん!形も味も色々とさー」
「いや、あれは別に過去でしょ!私は今中二なんですー!中一の話なんかしてませーん!てか芽流も焦がしてたじゃん!」
「はーいそっくりそのままお返ししまーす、今は過去の話なんかしてませーん」
しばらく二人で睨み合った後、同時に吹き出してまた笑う。
毎日毎日、同じことの繰り返し。楽しく会話して、言い合って、笑って。
こんな楽しい毎日、最高でしかない。
猫を被る必要もない。偽物のアオになる必要もない。
るいと芽流は関係がギクシャクしてるけど、そこはまあいいとして。
芽流、るい、そして心。私は最高の仲間たちに出会えたんだなぁと、毎日のように実感する。
「…心、今日も来ないね」
「そうだねぇ、インフルとかかな」
心が来なくなって、一週間が経った。
流石にもう熱とか下がってても良くない?って思うけど、もしかしたら芽流が言うように重度のインフルとかなのかもしれない。
心配だし、早く会って部活したいなぁ。
るいと芽流が別れて、もう一カ月以上が経っている。
夏休みに別れたらしいけど、未だ関係の修復はゼロ。むしろ悪化している気さえしてくる。
心は、私のことが好きじゃない。それは別にいいんだけど、(結構傷ついたけど)問題は〝心はるいのことが好き〟という事実だ。
心が部活に入った時くらいに、そう告げられたのをよく覚えている。
今は、芽流とるいは別れた元カップル状態。加えて仲も悪い。
芽流もるいもモテモテ(るいに関してはモテる理由は分からないけど)だし、もしかしたら他の男や女が隙を見て近づいて来るかもしれない。
心もるいも、私と一緒に男女合同テニス部に所属している。つまり、二人が恋愛ムードに…なってしまうかもしれない。
私は遠回しに振られたけど、まだこの恋は諦めていない。諦めたくない。
しかも、るいは芽流と別れてまだ一ヶ月ちょっとだ。こんなタイミングで心と付き合ったら周りからの印象最悪になるに決まっているし、もしかしたら「心ちゃんって人の彼氏取ったんだー」とかいう悪質な噂も流れるかもしれない。
ここ最近、心は休んでいるけれど、今後もしかしたらそういう展開があるのかもしれない。それだけは、絶対に避けたいのだ。
芽流とるいの親友としても、心に想いを寄せている身としても。るいと心が両思いになって遂には…なんてことは、避けたいと思っている。
思っているというか、絶対にそんなことさせないけど。
私にも、まだチャンスはあると願いたいし。
今日は調理実習の日。みんなでカレーを作ろうって、中二にしては低レベルかもしれないけどちょっと楽しそう。
「ねー、今日絶対包丁使うよね?」
後ろに座っている芽流と、いつもみたいに雑談をする。勿論、るいは会話に入ってこようとしない。
「まあ、そうなるよね。誰か怪我とかしちゃいそう」
「確かにめっちゃ危ない。男子とか指切っちゃいそう」
「アオも切りそうだけど。結構やらかしそうだし」
「はあ?なんもやらかさないし!私、こう見えて結構料理得意なんだよ?」
わざとキレて、そう言ってみる。語尾に「w」が付きそうな言い方で。
「嘘だね、一緒に家でクッキー作った時やばかったじゃん!形も味も色々とさー」
「いや、あれは別に過去でしょ!私は今中二なんですー!中一の話なんかしてませーん!てか芽流も焦がしてたじゃん!」
「はーいそっくりそのままお返ししまーす、今は過去の話なんかしてませーん」
しばらく二人で睨み合った後、同時に吹き出してまた笑う。
毎日毎日、同じことの繰り返し。楽しく会話して、言い合って、笑って。
こんな楽しい毎日、最高でしかない。
猫を被る必要もない。偽物のアオになる必要もない。
るいと芽流は関係がギクシャクしてるけど、そこはまあいいとして。
芽流、るい、そして心。私は最高の仲間たちに出会えたんだなぁと、毎日のように実感する。



