【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

食事も量は少ないかもしれないが、三食しっかり食べてアンリエッタと一緒にクッキーを三枚も食べられている。
今にも折れてしまいそうなガリガリだった手首も、骨ばっていた四肢もふっくらっしてきた……ような気がする。

ギルベルトを見つめながら『お願いします』と念じていると、ギルベルトは再びため息を吐いて頷いた。
やはりギルベルトはとても優しいようだ。


「……ヴァネッサ。無理をしないと約束できるか?」

「もちろんです」

「なら、構わない」


ギルベルトの許可をもらえた喜びから、ヴァネッサはアンリエッタと手を合わせて喜んでいた。
こっからがスタートラインだ。
今から一ヵ月半でどこまでできるかはわからないが、できる限りのことはしたい。


「今から診察をする。アンリエッタは部屋に戻りなさい」

「わかりましたわ、お父様。ヴァネッサ、明日から頑張りましょう!」

「えぇ、もちろん! 全力で頑張るわ」


ヴァネッサが気合いを入れて拳を振り上げた時だった。


「…………ヴァネッサ」

「ほ、ほどほどに頑張ります……」