【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

ヴァネッサがお礼に何かしたいと言い続けていると、とてつもなく怖い顔をしたギルベルトが『今は安静だ』と、トドメを刺しにきた。
あまりにも恐ろしい表情にヴァネッサは頷くしかなかった。
だが、なんだか胸がモヤモヤしてくる。

それからさらに一週間、ヴァネッサは三食に加えてデザートやおやつまでもらっていた。
こんなにも食べられることにヴァネッサは毎日、感動していた。
与えられるものはどれもこれも初めての味ばかり。

パンと野菜の切れ端くらいしか知らないヴァネッサにとっては何を食べても感動できる。
そのことがあるからか何を食べても『おいしい』と、涙が自然と溢れてくる。

前世の記憶からもそうだ。
何より脂っこいものを食べても、甘いものを食べても吐き気に襲われることもない。
まだ量はそこまで多く食べることはできないが、世界が広がって見えた。
毎回毎回、感動しながら食べ物を口にするヴァネッサを見てレイやセリーナ、シェフたちも涙ぐむ。