【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

「旦那様のこと、誤解なさらないでください」

「……誤解?」

「昨晩からヴァネッサ様に何かあったらすぐに動けるようにと一睡もしていないのです」

「え……?」


ヴァネッサはその言葉に驚いていた。


「ヴァネッサ様が眠っている間に薬の調合や料理人たちへの指示、領地の仕事など……少々、気が立っているだけで決して怒っているとかではありませんから」

「…………」

「誤解されやすい方なのです。口下手でして、最近はアンリエッタお嬢様とも対立してしまっていて……」


彼が口下手で誤解されやすいと聞くと、また違って見えてくるではないだろうか。
だが、ギルベルトとは今まで関わったことがない。
そんなヴァネッサに彼がここまで身を削る理由がわからなかった。


「どうしてギルベルト様はそこまで動いてくれるのでしょうか?」

「私にはそういう方としか。それに以前の奥様たちも……。……っ、申し訳ありません」


セリーナは口元を押さえつつ言葉を止めてから深々と頭を下げた。
ヴァネッサはエレーヌから一番目と二番目の妻は既に亡くなっていると聞いた。
けれどギルベルトが今、ヴァネッサにやっていることや前の職業などを聞いてあることを考えていた。
それも憶測でしかないが人体実験なんてしていないことだけは確かだ。
強いて言うなら薬の調合をしていることくらいだろうか。
気になったヴァネッサはセリーナに問いかける。