【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

「いいか? わかったな?」

「……は、はい!」


ギルベルトの低い声にヴァネッサは首を縦に振って何度も頷いた。
立ち上がったギルベルトは随分と高圧的にこちらを睨みつけているように見える。


「薬は絶対に飲むように。クリームもなるべくこまめに塗ってほしい」


彼は立ち上がると眉間を押さえながらフラフラと部屋の外へと行ってしまった。

(言っていることは正しいんでしょうけど、なんだか怖いわ……!)

この圧のある言い方では、ずっと虐げられていたヴァネッサもパニックになるか、萎縮して震え上がってしまうのではないだろうか。

(もしかしてわたしはギルベルト様に嫌われているのかしら……ご飯をしっかり食べないから苛立っているだけ? 全然わからないわ)

呆然としつつもギルベルトの態度について考えていると、セリーナがこちらの様子を伺いつつヴァネッサに声をかける。


「あの、ヴァネッサ様……僭越ながらよろしいでしょうか?」


真剣な表情のセリーナにヴァネッサは視線を流してから頷く。
何を言われてしまうのか、身構えていると……。