【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

これから手のひらを返されるかもしれないが、ヴァネッサは自分が見たものを信じることに決めたのだ。

(それにギルベルト様は信頼できる気がする。だって初恋のレン先生に似てるんだもの……!)

前世からずっとずっと医師や看護師たちには心の底から感謝していた。
彼らがいなければここまで十七歳まで生きながらえることはできなかった。
詳しくはわからないが、ギルベルトは公爵でもあり医師でもあるのかもしれない。

(あとでレイさんやセリーナさんに聞いてみましょう!)

ヴァネッサは心を強く持たなければと言い聞かせていた。
植え付けられ続けたトラウマは根深くヴァネッサを苦しめて、追い詰めてくる。
気を抜けば記憶に引き摺られてしまい、頭の中が真っ白になってしまう。

(大丈夫……大丈夫よ、ヴァネッサ)