【完結】悲劇の継母が幸せになるまで


「まぁまぁ! ヴァネッサ、今度一緒にお茶をしましょう! その素敵なドレスのことについても話したいわ」

「王妃陛下のお誘いでしたら喜んで」


王妃にお茶会に誘われたヴァネッサは内心急つつも、なんとか言葉を絞り出す。


「アンリエッタ、この間はマエルがごめんなさいね」


マエルとはこの国の王太子の名前でアンリエッタと同い年である。
彼女は物語で彼と婚約したことで悪役令嬢の道を歩んでいくことになる。


「マエル殿下のことでしたら気になさらないでくださいませ。わたくしなら大丈夫ですわ」

「ありがとう、アンリエッタ。マエルにもよく言い聞かせておくわ」


アンリエッタの堂々とした返答を見習いたいくらいだ。

王妃は申し訳なさそうにしている。
横に立っているマエルは不機嫌そうな表情でそっぽを向いている。
ミルクティー色の髪とクリッとしたエメラルドグリーンの瞳。
ヤンチャそうな外見を見て、ヴァネッサはアンリエッタに彼が何か悪戯でもしたのだろうかと思った。

それからギルベルトはヨグリィ国王と王妃と会話をしている。
ヴァネッサは横でにこやかに微笑んでいた。