「奥様、お初にお目にかかります。執事長のジェフと申します」
「…………ぁ」
奥様と呼ばれたことに驚いてうまく言葉を返せない。
ヴァネッサが何ていうのが正しいのか考えている間、ジェフは侍女たちに指示を出す。
「私はここで失礼いたします。詳しいことはレイとセリーナに聞いてください」
「本日より奥様の身の回りの世話をさせていただきます。レイですわ」
「セリーナです。奥様、なんでもお申しつけください」
オレンジブラウン髪はおさげで、そばかすがある可愛らしい笑顔がレイ。
セリーナはレイより背が高く、ディープブルーの髪をきっちりとまとめておりきつい印象を受ける。
何が何だかわからないままヴァネッサは頭を下げた。
「詳しいことは旦那様からお伺いしております。本日はゆっくりとお休みください」
「あとで食事をお持ちしますね」
そう言ってレイとセリーナもジェフと共に足早に部屋から去ってしまう。



