【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

「おお、シュリーズ公爵! よくきてくれたな」

「お招きいただきありがとうございます。国王陛下」


ヨグリィ国王は会場に響き渡る声でギルベルトがシュリーズ公爵だと明かす。
少しわざとらしい気がするのは気のせいだろうか。
ギルベルトの眉がピクリと動く。
ヴァネッサとアンリエッタもカーテシーで挨拶をすると、王妃が「素晴らしいわ」と声を漏らす。
ヴァネッサは心の中でガッツポーズである。


「顔を上げてくれ」


ヨグリィ国王の言葉で顔を上げる。


「妻のヴァネッサと娘のアンリエッタです」

「ほう! これはまた美しい令嬢だ。ギルベルトにはもったいない」

「…………陛下」

「ガハハ、すまんすまん!」


ヨグリィ国王は長い顎髭に触れながら豪快に笑っていた。
すると王妃が身を乗り出すようにして口を開く。
ヴァネッサを見て手のひらを合わせると、うっとりとしているではないか。
これでギルベルトがシュリーズ公爵だと知れ渡ったことだろう。


「シシーに聞いていたけれど、本当に可愛らしい令嬢だわ」


シシーとは王女の教育係を務めている講師の名前だ。


「王妃陛下にそう言っていただけて光栄ですわ。ありがとうございます」