【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

全体を整えて、レイは満足げに汗ばんだ額を拭い、セリーナは手を合わせてうっとりとしていた。
ヴァネッサは全身鏡にを見て、目を見張った。

(これがわたし……? 信じられない)

鏡に映るヴァネッサはもう〝悲劇の継母〟なんかではない。
そこには〝シュリーズ公爵夫人〟としてのヴァネッサの姿があった。

(新しく生まれ変わったみたい。とても素敵だわ……!)

ヴァネッサが鏡に映る自分の姿から目が離せないでいると、扉をノックする音。
レイが扉を開くと、そこにはアンリエッタとギルベルトの姿があった。


「ヴ、ヴァネッサ!? 嘘でしょう……?」


アンリエッタは口元を押さえて驚きの声を上げた。
大きな目をこれでもかと開いているではないか。


「ギルベルト様、アンリエッタ……お待たせして申し訳ありません」

「まるで女神だわ! とっても綺麗っ」

「ふふっ、ありがとう」


アンリエッタは手を合わせてうっとりとヴァネッサを見ている。


「アンリエッタこそ、とても可愛いわ。妖精のようね」

「オホホ、わたくしが可愛いのは当たり前でしょう?」