【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

それからギルベルトはお酒を飲みながら、ヴァネッサは大好きな甘いものを少しずつ食べながら、今までの分たくさん話していた。

大体、貴族の長男が家を継ぎ、次男や三男は爵位を得るか、家を継ぐ令嬢と結婚するなど選択肢は限られているそう。
ギルベルトは医師という道を選び、城で働いていたこともあるほどに凄腕らしい。

ギルベルトはヴァネッサに直接、自分の過去について話してくれた。
彼女たちを救えなかったことをギルベルトはずっと悔いていた。
それから兄夫婦を追い詰めてしまったのかということも……。
ヴァネッサも彼女たちの状況や過去をギルベルトから直接聞いて、難しい問題が故にどう答えたらいいかわからなかった。

「自分でも何が正解かはわからなかった。やれることはやったつもりだったんだ」

ヴァネッサはギルベルトの震える手を握る。
ただ一つ言えることはギルベルトが救ってくれなければ彼女たちはずっと苦しんでいた。
そして彼女たちは最後まで誰にも……ギルベルトにも心を開かなかったという。

(本来ならヴァネッサもそうだったのよね……誰にも心を許さずに苦しみながら自ら命を絶ってしまう)