【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

パーティーまであと三日と迫った時だった。
珍しくギルベルトに食事に誘われたヴァネッサは驚きつつも、ドレスに着替える。
アンリエッタのおかげでお茶会のマナーは完璧だが、テーブルマナーにはまだ不安を覚える。
レイやセリーナに支度をしてもらい新しく買ってもらったドレスに着替える。
ヴァネッサの部屋のクローゼットはすっかりパンパンになっていた。

支度をすませまつ、急いでギルベルトが待つダイニングへと向かう。
今日はアンリエッタにお茶会の時に『お父様にヴァネッサを取られた』と、唇を尖らせていた。

あの一件から、ギルベルトの態度が柔らかくなったような気がした。
診察の時もそうだ。
今までに感じたことがない感覚にドキドキと心臓は高鳴っていく。

『ヴァネッサ、調子はどうだ。何かつらいところはないだろうか?』
『今日も元気そうで安心した。無理をするなよ』

まるで恋人にやるような優しさに勘違いしてしまいそうになる。
ヴァネッサは首を横に振りながら邪念を振り払う。

(ギルベルト様はわたしの心配しているだけよ……! 勘違いしたらだめ)