【完結】悲劇の継母が幸せになるまで

本当に嬉しそうなアンリエッタに手を引かれてヴァネッサは外に出る。
レイやセリーナも一緒に来るそうだ。
それから護衛も数人いて、ヴァネッサがティンナール伯爵家からずっと見ていたエディットたちが買い物に出かけて行く光景を見ているようだ。
それよりもずっと豪華な気がするが。

アンリエッタと外に出ると、ヴァネッサの前に信じられない光景が広がっていた。


「ギルベルト、様……?」

「……ヴァネッサ、急にすまない」

「い、いえ!」


豪華な馬車の前でギルベルトが正装して立っているではないか。
いつもはラフな格好にボサッとした髪、白衣を着ているギルベルトだが、今は大人の色気が漏れ出ているアンニュイなイケメンな男性である。

(す、すごい……! ギルベルト様、かっこよすぎて直視できない)

服装だけでここまで雰囲気が変わるのかと不思議だが、圧倒的なオーラに萎縮してしまう。
アンリエッタもオーラがあるが、ギルベルトはまた別格な気がした。

そんなギルベルトを見ながら固まっていたヴァネッサだが、彼はこちらに気づいたのか近づいてくる。
アンリエッタの頭を撫でたギルベルトは柔らかく微笑んだのを見て胸が高鳴る。