【完結】悲劇の継母が幸せになるまで


「レン先生は初恋の人で……」

「……彼のことが好きなのか?」


どうしてギルベルトがそんなことを問いかけてくるのかはわからない。
まさか嫉妬をしてくれていると考えてみたものの、そんなはずはないと首を横に振る。

(……どんな人物か、気になるとか? 結婚しているのだから当然よね)

だが、あの時ヴァネッサが考えていたのはレン先生は初恋で、ギルベルトとの気持ちとは違うということだった。


「ヴァネッサは彼のことが好きなのだと言っていた」


ヴァネッサは浮気を疑われていると思われているのかもしれないと、慌てて口を開く。


「わたしはギルベルト様のことを考えながら好きだなと言いました! それだけは間違いありませんっ!」


素直に気持ちを口にすると、ギルベルトの雰囲気が急に柔らかくなったような気がした。
ギルベルトは左上から右下に視線を流した後に、どんどんと顔が赤くなっていく。
そのことを隠すようなに手のひらが顔を覆った。


「なんなんだ君は……」

「わたし……何か変なことを言いましたでしょうか?」