「ふふっ、かわいい……ぷにぷに」
「……!」
ヴァネッサがアンリエッタの頬を触りながらニマニマしていると、なんだかいつもより大きくて固いことに気づく。
(あれ……? なんかおかしいような)
すると頬を触っていた手首を握られてベッドに寝かされるように押し倒されてしまう。
ヴァネッサは状況を把握しようと目の前にいる人物を見つめていると、白衣を着た端正な顔立ちの男性が目の前にいる。
(わたしはずっと病気で……ああ、レン先生が診察に来たのかしら)
前世の記憶が混ざってしまい、ヴァネッサは口を開いて名前を呼ぶ。
「レン、せんせ……?」
「……!」
今ではレン先生への気持ちが憧れで、ギルベルトへの気持ちが本当に好きということなのだとわかる。
恋愛は未経験なので自信はないが、これが好きな気持ちなのだとなんとなくではあるが理解できている。
ぼやけた輪郭、レン先生が消えてギルベルトの顔がハッキリと見えた。
(ギルベルト様が来てくれたのかしら。気持ちを伝えないと……違うわ、体調を崩してしまったことを謝らないと)
しかし次第に頭がボーっとしてクラクラしてくる。
「ごめん……なさい……すき、です」
ヴァネッサはそのまま意識が遠くのを感じた。
ひんやりと冷たい手のひらが額に触れたような気がした。



