【完結】悲劇の継母が幸せになるまで



「ヴァネッサ、大丈夫……? 随分と疲れているようだけど」

「だ、大丈夫よ。アンリエッタも足が痛そうだけど平気?」

「平気じゃないわ! お父様が呼んでくれた講師、今までとは全然違うわ。厳しすぎて泣きそうよ!」

「そうよね……」


アンリエッタもヴァネッサと共に淑女としての訓練を受けているそうだ。
ギルベルトが呼んでくれた講師たちは一言で言えば、とても厳しい。
なんせ王女の教育係も務めているそうで、ヴァネッサは容赦なくしごかれていた。


「でもこれを乗り越えたら素晴らしい淑女への道へ近づけるような気がするの!」

「……ヴァネッサ」

「一週間前とは違うわたしになれた気がするわ」


ヴァネッサはそう言って訓練の成果を見せるようにカップを持ち上げてにこやかに微笑む。
それを見てアンリエッタも負けじとカップを持ち上げる。


「お互い頑張りましょう!」

「わたくしもヴァネッサに負けないように頑張るわ!」

「「…………はぁ」」


こうして互いに士気を高めて、ため息を吐きながら地獄の訓練へと戻っていく。
講師から今日も容赦ない注意が入る。