【完結】悲劇の継母が幸せになるまで


生家に迷惑をかけていると言われ続けたリリアンは生きることを諦めているようだ。
彼女の家族に診察を任されたギルベルトは、あまりにもひどい扱いのリリアンを救い出すために結婚を決めた。

そこに愛があったのかと問われたら微妙だが、まだ若かったギルベルトは医師としての使命感から動いていた。
家族と引き離し精神状態は落ち着き、リリアンは笑顔を見せるようになった。
だがリリアンは子を持つことに執着していた。
もはや呪いのようなものだったのだろう。

子を持つことがすべてではない。子を産めばリリアンの体が持たないと説得していたのだが……。
ギルベルトは彼女の呪いを解くことはできなかった。
日に日に病んでいくリリアンにギルベルトは心が揺れていた。
彼女は身籠りアンリエッタを産んだ。
そして今まで見たことがないほどに幸せな表情で息を引き取った。

そのすぐ後、レオが事故で亡くなりギルベルトが爵位を継いだ。
産まれたばかりのアンリエッタと共に。

後々聞いた話によれば、レオたちは結婚してから何年も子ができなかったそうだ。
そのことにレオの妻はかなり気に病んで体調を崩してしまう。
ギルベルトとリリアンに子ができたことを気にしてだろうか。
ギルベルトが爵位を奪ったと言われるのはこの件が原因だった。

リリアンがいなくなり、数年経って二番目の妻のクロエと出会う。
シュリーズ公爵として夜会で大嫌いな人付き合いをする中、彼女は人の婚約者を奪ってばかりいる悪女だと罵られていた。
グラスで殴られて顔を傷つけられたことで、ギルベルトが王宮で手当てしたことがきっかけだった。