「お待たせしました、カフェオレとカスタードプリンです。前からでごめんね」


キラママがキッチンからカウンターにドリンクとデザートを並べた。


「わー、すっごくおいしそう! 食べよ、紺くん」


咲夜が笑顔でプリンを差し出す。


「ありがとうございます。いただきます」


紺も照れくさそうに答え、二人で「いただきます」と声を合わせる。


咲夜はスプーンでプリンをすくい、口に運ぶ。


「美味しすぎる!」


思わず目を輝かせる咲夜。


「固めのプリンって、いいっすよね」


紺も少し笑みを浮かべながら頷く。


「大好き。それにこのカラメルの苦味とのバランスも最高」


咲夜が満足そうに目を細める。


「食レポうまいっすね」


紺が軽く笑う。


「ちょ、突っ込まないでよ!」


咲夜はプリンを口に含んだまま、軽く手を振った。


二人の間に、ほんのり和やかな空気が流れる。


その雰囲気を切るように、紺が真剣な顔で咲夜を見た。


「咲夜さん」


「ん?」


咲夜はプリンを口に含んだまま、反応する。


「俺、調べました。NLHS」


紺の声は静かで、だけど確かな決意がこもっていた。


咲夜はゆっくりとプリンを飲み込み、目を見開く。


「調べてくれたんだ……」


咲夜の声は驚きと、ほんの少しの嬉しさが混ざっていた。