【マンガシナリオ】脈ナシかと思ったツンデレ幼馴染は、今日も私を溺愛する

〇高校・中庭

駆「こんなとこにいた」
と、紗也佳を後ろから抱きしめる。

紗也佳「ちょっと……!」

紗也佳は駆の腕から抜け出そうとするが、びくともしない。

古川「楠見さんの知り合い?」

紗也佳「全然! こんな人知らなッ……!」

紗也佳が話している途中で駆が紗也佳の口を手で塞ぐ。

駆「1年の四ノ宮駆。サヤにちょっかいかけんのやめてもらっていいでスか?」

紗也佳(え……?)

紗也佳はドキッとした顔。

古川「ちょっかいかけるなんて言い方しないでほしいな。俺は真剣に」

駆「サヤにはちゃんと好きな人いるんで。邪魔すんなら俺、センパイだろうと容赦しませんけど」

駆は紗也佳の手を引いてその場を立ち去る。

紗也佳(好きな人、か……)

紗也佳は駆の手を無理やり離す。

紗也佳「……邪魔しないでよ」

駆「邪魔ってなんだよ。だいたい、好きな人いるくせに男と2人きりでホイホイ会うなよ」

紗也佳「ホイホイじゃないから! ていうか私の好きな人なんて知らないくせに、興味もないくせに、余計なお世話!」

駆「あっそ、悪かったな!」

紗也佳と駆はそれぞれ反対の方向に歩いて行く。


〇高校・教室

紗也佳が浮かない表情で戻ってくる。

理子「(神妙な顔で)古川くん、何だって?」

紗也佳「一目惚れした、付き合おうって」

理子「で、サヤカはなんて返事したの?」

紗也佳「何も……カケルに邪魔された……」

理子「幼馴染くんもいたの?」

紗也佳「そう。いきなり来て、私には好きな人いるとか古川くんにベラベラ話したの。自分は何も気付いてないくせに!」

理子が何かを言いづらそうな顔をする。

紗也佳「どうかした?」

理子「……水差すようなことは言いたくなかったから迷ってたんだけどね」

紗也佳「やだなに!? 言っていいよ」

理子「他の高校行ってる友達が言ってたんだけど、古川くんってかなり女癖が悪くて有名なんだって」

紗也佳「え……」
と、顔を顰める。

理子「もしかしたら幼馴染くん、そういう噂知っててわざと邪魔してくれたんじゃないかな? 私の勝手な推測だけど」

紗也佳「うわぁ、サイアク……だとしたら私、カケルに酷いこと言っちゃった……」

理子「ちゃんと話せば仲直りできるよ」
と、慰める。