あなたの姫は私だけ

「あんたなんか...いなきゃよかったのよ!」

と言って、家の中に入って行った。


私なんかいなきゃよかった...

そっか...お母さんは、そこまで思ってたんだ...。


きっと、私がいるからあの人とうまくいかなかったんだろう。

きっと、フラれたから私にあんなこと言ったんだよね。


前も似たようなことはあったけど、さすがにいなきゃよかったとまでは言われたことがなかった。


「ごめんね、お母さん」


こんなお母さんだけど、私は嫌いにはなれなかった。

というか、好きなんだよね。


だから、文句も言わないでこの家にいてお母さんのそばから離れられないし

ご飯とかも作るんだろうね。


中3までは、すごく優しいお母さんだったし「乃亜ならできる!」っていつも言ってくれていた。

たくさんんの思い出がありすぎて、嫌いになんてなれないよ...