案の定、玲音はベットから転がり落ちて、頭をさすっていた。



「なっちゃん⋯⋯⋯、さすがに痛いって」



「ご、ごめんなさい⋯⋯⋯」



いきなりキスしてきたとは言っても、ベットから突き落とすのは良くないよね⋯⋯⋯

反省して、顔がしょんぼりした。



「そんな可愛い顔されたら怒れなくなっちゃう♡」



そう言って、玲音はひょいっと起き上がった。





ん????


待って、まず玲音がキスしてきたのが悪いんじゃ⋯⋯⋯

私が一方的に怒られるのはおかしくないか?



「~~っ!へ、変態!いきなりキスするなんてありえない!」



「だからって突き落とすのも⋯⋯⋯」



「まぁ、それはそうだけど⋯⋯、元はと言えば玲音が悪いんだよ!?」



体を起こしてから、私は大声で言った。

恥ずかしさと怒りが入り交じっていた頃。





ぐぅぅぅ〜〜〜





へ?

私のお腹から、そんな情けない音が鳴った。



「りりちゃん、お腹すいちゃったの?♡かーわい♡」



いやっ!

恥ずかしくて顔がぶわっと赤くなった。



「聞いた?」



思いっきり玲音の顔を睨みながら、拳を突き出す。


こう見えて、空手は有段者。

まあ初級だけど。